方舟 夕木春央 講談社
未読の方は紹介記事をぜひ!ここではネタバレ厳禁の方はお気をつけください!
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このミステリーは本当にとんでもない!方舟の不気味で武骨な世界観が丁寧に描写されているし、登場人物の人柄も明快で覚えやすいしよいところは多い。しかし最高なのはエピローグの仕掛け。
犯人が見つかって、あとは予定調和で終わっていくものと気がぬけていたら犯人以外全員死ぬと言うね、、、!!大どんでん返しは小説の醍醐味ですが、それまでの人の生死は麻衣にとって全く重要でなかったことが一番の衝撃でした。
初めから一人、二人以外の死が確定していることがわかった麻衣は、強い恨みもなく確実に生き残るために淡々と作業をこなしていったように映ります。
探偵役だった翔太郎の追及すら麻衣にとってはどうでもよいこと。ハーネス作りのために時間稼ぎは必要だったとはいえ、最後のピースのために自分が犯人であることの判明が、既定路線というのもこれまでのミステリーと毛色が異なる気がします。
正直犯人の目星は消去法でついてはいました。花や隆平、矢崎家の人々は理性的な描かれ方をしていなかったので、何となく麻衣かなーと。トリックや動機は1ミリもわかりませんでしたが(笑)
ただ、エピローグの仕掛けは全く予想していなかったので、本当に楽しめました!