ボトルネック 作_米澤穂信 新潮社 2006年初版
今日はこちらの小説を紹介していきます。受け手により考え方が分かれるのではないか、考察しがいのある小説でした!
あらすじは下記になります。
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。
ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。
世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
出典 BOOKデータベース
この小説の面白いところは、あらすじにある「見知らぬ姉」と「ここでは僕は生まれなかった」部分にあります。
世界の変化点は「見知らぬ姉」×「自分」のみ。人ひとり違うだけで何が起きるのか。
そこにぶっ飛んだSFはなく、シリアルキラーがいる世界でもない。だからこそ、非常にリアルな質感をもって小説の世界に入り込んでゆける。
あのときああしていれば、こうしていれば、 こう思ったことがない人はいないのではないのでしょうか?ミステリーの要素もとても面白いのですが、本書は「どう生きるか」を考えさせられます。そこが一番響いたなぁ。
面白かったし、「良い」と思えた小説でした!