首無の如き祟るもの 作_三津田信三 講談社 2007年初版
表紙から怖い小説「首無の如き祟るもの」を紹介していきます。
まずはあらすじをどうぞ!
奥多摩の山村、媛首(ひめかみ)村。
淡首(あおくび)様や首無(くびなし)の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。3つに分かれた旧家、秘守(ひがみ)一族、その一守(いちがみ)家の双児の十三夜参りの日から惨劇は始まった。戦中戦後に跨る首無し殺人の謎。
驚愕のどんでん返し。本格ミステリとホラーの魅力が鮮やかに迫る「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズ傑作長編。(講談社文庫)
出典 首無の如き祟るもの/講談社 BOOKデータベース
読み終わったあと知ったのですが、こちらは「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズの第3弾とのこと。
1、2を読んだことがない私でも違和感なく楽しめたのでこちらからシリーズに入られるかたにもオススメです。
舞台は戦中戦後、土着思想や怪異が根付いた媛首村になります。どことなく「京極堂シリーズ」を彷彿とさせます。
タイトルにもある「首」や「祟り(たたり)」が放つ雰囲気は恐ろしいです。陰鬱とした村の湿気のようなものが小説からとても伝わります。。。
そして、物語はとある小説家が「(作中での)事件をノンフィクション小説」として連載するところから始まります。
私たち読者はまさに作中の読者と同じく、「小説を読む」んですね。ここが風変わりで面白い。
また、この「小説の連載」は進行形であるというところも面白いです。こういった少しトリッキーな部分はミステリ好きにはもうワクワクしかないですよね!自分は何かくるぞ、絶対後で何かある、何かはわからないが!と思いながら読んでました。
また、あらすじにどんでん返しとありますが、
よく経験するミステリーのどんでん返しとは少し毛色がことなります!
「どんでん返しを滅多打ちで喰らうあう」と言うのが率直な感想です。
珍しい経験でしたねー!何回読み返したことか!
とても面白い小説です。秋の夜長にどうぞ!