コンビニ人間 作_村田沙耶香 文藝春秋 2016年初版
芥川賞受賞作「コンビニ人間」を紹介していきます。
まずはあらすじをどうぞ!
「普通」とは何か? 現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。 日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、 「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。
「いらっしゃいませー!!」 お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。 ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、 そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。
累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。 世界各国でベストセラーの話題の書。
出典 コンビニ人間/文藝春秋 BOOKデータベース
まず第一に、この小説はぶっ飛んでいる。そしてめちゃくちゃ面白い!!
主人公の古倉恵子は「普通」がわからない。これまでの人生で、数々の場面で自身の普通ではない行動で周囲を驚愕させてきたし、自身はそれで家族が悲しむことを辛く思っている。
家族にとって古倉の性格は「治療でなおるもの」であって欲しい。。。
ただ古倉にとっては治るものでなく、まさに自分自身そのものなのだから難しい。
そんな古倉はコンビニで働くときは「世界にとって【正常】な歯車」になれたと自覚できる唯一の瞬間。
「異質な自分」が「世間の普通」にさらされ続けるなかで、古倉はある解決法にたどり着くが。。。
面白いのは本小説が「普通ではない」古倉視点で描かれたものであること。
古倉から見える世界や人の行動は、読者にとって新鮮でときには危なっかしく見えるのではないだろうか。
それらにほんのりハラハラしつつ、200ページ未満の物語が怒涛のように過ぎていく。ラストもとても素晴らしい!
2~3時間もあれば読めちゃいます!おすすめです!