すずめの戸締まり 監督_新海誠 2022年
話題の映画「すずめの戸締まり」の感想です!!ネタバレありますのでご注意ください!
【あらすじ】
「普通の女子高生」すずめと、「閉じ師」草太が繰り広げる日本縦断のロードムービー。
旅の目的は、日本の大地にうごめく「厄災=みみず」が漏れ出てくる「後ろ戸」を閉じること、そして「要石」を再び打ち込むことでより強固な封印を施すことになります。
【感想】
イスと日本を旅するコメディタッチな部分や311、東日本大震災に真っ向から向き合ったシリアスな部分を兼ね揃えた奥深い作品でした。
とても面白かった!!!!
感想は前後半に分けようと思います。
・コメディ、ロードムービー部分といった「楽しさ」に焦点を当てた部分を前半。
・震災に焦点を当てたシリアスな部分を後半。
【感想前半 コメディ、ロードムービー】
イスになった草太と四国、東京、東北と旅する珍道中は面白かったですねー!
すずめ、普通の女子高生ではありますが過去を背負った人物でした!その端々にヒントはあったのに最後の方まで気づかなかった。なんで環さんと暮らしてるんだーとか!
すずめは自分きっかけの出来事ではありますが、責任感があって暴走気味でもとても行動力がある人ですねー!
「君の名は。」「天気の子」の主人公とも通じるところがあります!頑張ってました!!
草太はなんならイスの時間の方が長いんじゃないかってくらい!笑 イスの動きを極めすぎて人間よりも機動力があるという!
寝坊しがちでちょっと抜けているのが愛嬌かと思いきや、だんだん要石に成りつつある予兆だったとは。。。先生になりたかったのに。そんな不安を一言もすずめに漏らさず頑張ってました!!イケメン!
芹澤も嫌なやつかと思ってたけど、意外にいいやつ!!懐メロ好きだったり雨で車がびしょ濡れになっても笑ってるところとか、ひとつ返事で7時間ドライブを引き受けるとか!良い意味で見かけによらないものだなー
ダイジンはどの辺が大臣なんだー?ってのは思いましたけど、小憎らしくもかわいいので良しとしよう。何十年もみみずを抑える役割を担ってきて、ほんの数日だけその重責から解放されて遊んだだけなのだから!
東京大震災になるかはヒヤヒヤしましたが!
そんな良いキャラが繰り広げるロードムービーは楽しいものでした!そして、震災に焦点を当てた感想はこちら。
【感想後半 震災、厄災】
「すずめの戸締まり」に「君の名は。」「天気の子」とも共通する部分があるとすればそれは厄災。
君の名は。では隕石、天気の子では雨による洪水。それらに若い男女が立ち向かう話でした。
すずめの戸締まりでは震災。しかも、311 東日本大震災に触れます。そこに製作陣の覚悟を感じました。風化させてはならないが、フラッシュバックも起こりうる。震災当事者であればなおさら。
今回描かれた「みみず」はまさに大地のうねりで、龍脈・地脈・マグマや気の流れから着想を得たものではないか。人の範疇におさまらない超常の範囲の力のかたまり。
現代においてこれら厄災・力のかたまりは、地震や疫病(コロナ禍)として、未だ目視不可かつ予測不可の形で現れます。
今回のみみずは発生時点から「見える」ことと「執行」までの猶予があること、加えて「人の力で対処可能」なことからある意味現代よりマシかもしれない。。。「人の手で封印できる」というのは、そうなって欲しいと思う願いのようでもある。
2011年3月11日、とてつもない厄災が現実の日本を襲った。劇中でもそこは変わらない。
すずめの母が作ってくれたイスは脚が一本とれていてない。すずめは小さな頃に一度イスをなくしたことがある。
それは震災のときであり、失くしたものはイスだけでなく、家や家族もだったとは。。。これがわかったときは、結構辛かったな。劇中終盤「常世」の中で幼いすずめが母を探すシーンは可哀想すぎて見ていられなかった。
恐ろしいのはあの光景が実際の日本でもあったことだ。街は焼け、家は破壊され、家族がいなくなる。
この映画で何事もない日々がいかに恵まれているかを噛みしめ、大切にして暮らしていこうという気持ちになった。実生活に見直すきっかけになりました。
また、今回は劇場で「新海誠本」という、インタビューや設定画がみられる特典が配布されている。
これらを読むことで作り手の思いやちょっとした裏話(タイトルがどう決まったか)などがわかり、ファンとしてはとても満足できるものでした!!
良い映画でした!!次回作も劇場でみたいな!
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