medium 霊媒探偵城塚翡翠 相沢沙呼 講談社
ミステリランキング5冠の化け物小説です!
今回はネタバレありの感想です。
未読の方は紹介記事がおすすめです!
それではどうぞ!
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城塚翡翠やばー!!
完全にやられた、、、
清廉・純粋・天然なキャラが全てインチキだったとは。
シリーズ化していることは知っていたので、香月とくっつきそうでくっつかない恋愛模様も絡めたミステリーなんだろうなーと、勝手に思っていました。探偵役がシリアルキラーだとは、、、
確かに読んでいるなかで違和感は所々にありました。
【香月に関して】
翡翠かわいい系の描写があまりに多かった。これは萌え系の小説なのだろうか、と少し疑りながら読んでいました。
・翡翠との初対面
翡翠は付き添いであるはずの香月との面談を望みました。今にして思えばこの瞬間から翡翠は警戒していたのでしょう。
・藁科との面談
女子高生連続絞殺事件の犯人である藁科からは「あなたならわかってくれると思った」というようなことを言われています。読んでて結構唐突に感じましたが、これは伏線だったんですね。藁科は当然香月が殺人鬼であることは知らないはずですが、同じ匂いを感じたんでしょう。
・その他
情動を抑える、等。香月という珍しい名字(こちらは実在します。ただ、アナグラムを一瞬でも疑えたかもしれません)。
【翡翠に関して】
正直全然わかりませんでした。ただ、今にして思えば小説のタイトルが「霊媒探偵 城塚翡翠」。
序盤に関して言うと、探偵は香月では?実際の推理をしているのも香月でしたし。「推理作家 香月史郎 & 霊媒師 城塚翡翠」これが正しいのでは?
霊媒探偵 城塚翡翠と書くと霊媒も探偵もひとりでこなす印象です。
また、表紙のイラストも序盤の清廉・純粋・天然の印象と少し合いません。どこか小悪魔的なイメージがあります。
読み終えると完全にラストの翡翠でした。指を合わせるのも、表情も。表紙にまで伏線があるとは。。。あとは、相当なかわいい描写に違和感を覚えたくらいでしょうか。
最終章も、死なないとは思っていましたが、それは降霊等の霊能力による覚醒などではないかと。
ま さ か インチキ、ペテン、奇術の類いとは。。。しかも超能力級!!洞察力が異次元の領域!
とんでもないです。10秒もあれば状況証拠だけで犯人を詰めきれます。論理的思考も突き詰めれば人に霊能力を信じさせるレベルまで昇華させられるのか。。。
城塚翡翠の印象的な台詞があります。
「怪異があろうがなかろうが、超常現象が起きようが起きまいが、論理を構築する努力を放棄していい理由にはなりませんから」
出典 城塚翡翠/medium 霊媒探偵 城塚翡翠/相沢沙呼/講談社
これは非常に刺さる台詞でした。楽な方に流れる、理解しがたいものは自分の範疇の型にはめて理解しようとする。自分も含めこんな人が多い中で翡翠は努力を放棄せず、考え続けていた結果あのような化け物推理力になったんですね。(もしくは幼い頃の奇術訓練のたまものかもしれません)
とにかくすごかった!!
次回作どうするの!?もうブリッ子できないけど!!
続編の「invert 城塚翡翠倒叙集」は未読ですが、どうやら犯人視点で物語が進められるそうです。「反転」。
どこか古畑任三郎を彷彿とさせます。
こちらも読んでみたいな!!
medium漫画版はこちら